アトピー性皮膚炎と塩素 ①

日本の水道には必ず、塩素が入っている。

水道水の塩素

塩素投入の原点は、アメリカ軍が日本のし尿による野菜生産を見て、塩素の比率を0.4ppmにするよう命じたことから始まった。しかし、現在のアメリカ本土は殆ど塩素を使っていない。

それどころか、ヨーロッパなどの諸外国では塩素を毒と認定し、水道水に塩素は入れてはいけない法律がある。投入しているところでも0.1ppm以下である。

水源保護という視点が日本では欠けている。

イギリス・フランス・ドイツでは、水源保護区を定め、公共が土地を持ち、市民の立ち入りを禁止し、道路はけしてつくらせない。

日本では富士山麓の二つあった貴重な水源地を高速道路をつくるために遮断してしまった。

日本の水道水は急速濾過(塩素を使う方法)で諸外国の水道水は緩速濾過(塩素を使わない方法)が主流。

急速濾過を維持するには、莫大な税金が使われている。ちなみに大阪は600億円急速濾過装置に資金を投じた。緩速濾過にかかる費用はおそらく、その1/100の資金で十分である。

緩速濾過とは、砂利や砂、微生物と太陽の力で作りだす天然のミネラルウオーターである。日本にも昔緩速濾過があったが、1965年以降姿を消し、この時期からアトピー、アレルギー、ぜんそく、花粉症が増えた。

日本の水道法は、給水地域のもっとも遠いところで、水道水中の残留塩素量は0.1mg/l以上と定められており、浄水場に近いほど塩素濃度が高いことになる。

しかし、上限は定められていない。一般家庭では、1ppm前後が多い。例)東京都大田区の1.5ppm、横浜市の0.8~1.2ppm。

ちなみにプールの指定塩素濃度は0.4ppmで、日本の家庭のほとんどがプール以上に塩素濃度が高い水道水を使用している。

塩素を多量に含んだ水の入浴での安全性はまだ確認されたことがない。1番風呂がもっとも塩素の濃度が高いので、アトピーの子供には禁忌である。

40~41°Cくらいのお湯がもっとも塩素の活性が強くなる。
塩素はシャワーや蒸気に混じって、喉や鼻の粘膜を直接傷める。お風呂よりもシャワーの方が塩素の影響が強くでる。

シャワーは水が玉状になって表面積も増すため、短時間で大量の塩素を暴露する。一般に都市部ほど塩素濃度が高く、アトピー患者も都市部に多い。とすれば、水道水中の残留塩素がアトピーの要因ではないかという推論も可能になる。

ある皮膚科医での統計

ほこりで悪化、布団に入ると痒くなるは14%前後で、プールで悪化22%、風呂で痒くなるのは34%と出た。温水は冷水よりも塩素が遊離しやすいので、刺激を感じやすくなる。

風呂で痒くなるのは、温度刺激よりも塩素による化学的刺激が主体である。化学物質の吸収経路は消化管、呼吸器、そして皮膚である。アトピー性皮膚炎は、塩素という化学物質過敏症の側面を持っていると考えられる。

塩素を除去する方法はいくつかある。

お風呂なら入浴剤、シャワーなら塩素除去シャワー。
塩素ガスは、10mg/m3で臭気を感じ、44mg/m3で眼や呼吸器の刺激作用があり、2900mg/m3で即死。

塩素ガスは猛毒なので、この毒性によって水道水を滅菌している。夏場は特に病原菌への安全性を考慮して多めに加えられている。最近は塩素殺菌でも死なないクリプト原虫などの有害性が問題になっている。

塩素が水に反応すると、次亜塩素酸と塩酸を生じる。
プールに入ると目が真っ赤にしていたり、肌がカサついたり頭髪がパサパサ。髪や皮膚や粘膜にとりついた塩素が、水分を奪って次亜塩素酸と塩酸を生じ細胞を痛めつけて起こる現象です。

塩素はドライスキンを造り、小ジワの原因となる。
次亜塩素酸は、酸化力と共に色素結合を切断(漂白作用)する力が強いため、モヤシやレンコンの漂白に使用される。

水道水で洗顔洗髪すると、肌を酸化(老化)し、黒髪から艶を奪い変色する。

塩素は、水中の有機物と化合しトリハロメタンと呼ばれる数種類の発癌物質を造りだす。塩素は水中のメタンと結びつきクロロホルム、ブロモホルムといった本来、自然界に存在し得ない物質を産み出す。

トリハロメタンはこれらの物質の総称で、強力な発癌物質として、また奇形児を造り出すとして有名。

アメリカ研究皮膚科学会発表1997

アトピー性皮膚炎の患者10名のうち、浄水器を使った入浴を1年続けて症状の観察をしたところ、6名に改善がみられた。

日本美容皮膚科学会発表 1998 大阪医科大 長谷川義博

塩素が髪に与える影響

「0.5ppmの塩素を含む40度の湯と、塩素なしの同温の湯で、20歳代の女性5人から切り取った髪各47本を朝晩2回ずつ洗浄、1週間続けた後、髪の太さの変化を比べたところ、塩素なし群は71・19±22・11デニール(繊維の太さを表す単位)に対し、塩素を含む群は66・45±19・68デニールと細めになった。統計学上明らかな差だという。

塩素なし群は髪の損傷も少なかった。」と報告

■20年前の京都大学の研究で、
当時の水道水で実際にお米を炊いてみたテストで、「水洗いの段階で破壊されるビタミンB1が40%近くにのぼり、炊飯で熱を加えることで更に30%近くが分解された。

塩素のない水では、ビタミンはほとんど失われなかった」と報告した。現在より遥かに塩素濃度の低かった当時の水道水での実験ですらこのような結果なので今ならもっと厳しい結果となる。

■米国ピッツバーグ大学大学院、ジュリアン・アンデルマン教授
実際に研究室の中にシャワールームを設置し、水道水に普通に発見される化学物質を設定してみた実験での結果、「15分の入浴とシャワーの間に呼吸から吸収される揮発性汚染物質の量は、1リットルの水道水を飲むことで摂取する量と同じである」と報じる。

■ニューヨーク州立大学臨床小児科助教授医学博士ドリス・J・ラップ女史

著書「Is this your child ?](1991年)の中で、「シャワーのお湯の中から塩素と鉄分を除去する特殊なフィルター(風呂用シャワー浄水器)を購入することを考えなさい。そのお湯をシャワーから浴槽に入れることができます。」

「お湯に含まれる汚染物質の20から91%は、入浴中とシャワー中に皮膚を通して、湯気を吸い込むことで体内に吸収されています。」

そもそも、塩素による水道水の殺菌は、1902年ベルギーで行われたのが最初で、米国では1912年ニューヨーク州ナイアガラ滝の市営水道で使用された。

1920年代に広く使われるようになるが、その結果、心臓病が存在しなかった地域に、心臓病による死者が出始めた。塩素を知らなかった昔の英国でも、相当脂肪分の多い食事をしていたにもかかわらず心臓病は存在していなかった。

現在のエスキモーはアザラシやトナカイの生肉を常食とし、多くの脂肪を摂取しても、彼らに心臓病はない。塩素とは無縁の雪解け水を飲んでいるから。そんな彼らが、都会に移り住んで、塩素入りの水道水を飲むようになると、心臓病に見舞われた。

■アメリカのJ・M・プライス博士
その著書「冠状動脈、コレステロール、塩素」の中で、「塩素が、アテローム性動脈硬化に起因する心臓発作や、脳血管障害の決定的な原因になっている」とし、すべての人が、直ちに、そして永久に、塩素入りの水道水をやめるよう主張している。

これを読んで、水道水の塩素が身体にいいものだと思った方はいないでしょう。
アトピーにだって悪いのもおわかりになると思います。
でもこんなにたくさんの情報が簡単に手に入るのに、
どうして、皮膚科や小児科、産婦人科の先生は水道水の危険性について、教えてくれないんでしょう?